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アート&シネマレビュー

映画 名無し 俳優・佐藤二朗の狂気

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今や独特な存在感を放つ佐藤二朗。TVドラマではコミカルな演技で人気ですが、実は彼の魅力は映画の中でこそ際立つ。

今回の映画「名無し」は、佐藤二朗の原作、脚本主演により映画化された。しかしながら映画化されるまで困難を極めたが、コミック化により実現にこぎつけたそうだ。

映画は持つものが消えてしまう右手を持つ主人公、山田太郎が自分の特殊能力に絶望し無差別殺人の狂気へ進む内容だ。

オカルトチックであるが、彼の幼少期から殺人者となる過程をフィードバック。彼との関わる人間関係が浮き彫りになり、シンプルだがおもしろい作品でした。

ただし、佐藤二朗の映画の中の狂気から見ると物足りなさを感じましたが、警察官役の丸山隆平、刑事役の佐々木蔵之介の演技は見応えがあり、また、幼少期の主人公を演じた子役・和彦の存在感は目に見張るものがものがありました。

さて、前述した映画の中の狂気を象徴する佐藤二朗出演の映画は、現在アマプラやネトフリで視聴可能です。
佐藤二朗の異なる狂気三作をご紹介します。
先ず最初にして監督、脚本、原作の「はるヲうるひと」
佐藤二朗主宰の劇団での舞台を映画化した作品で、売春島で置屋を営む長男を演じ、山田孝之、仲里依紗が弟妹役を演じ兄の弟を暴力で支配する佐藤の最高峰の狂気が噴出する作品です。

次は賞金のかかった連続殺人犯をさがすために行方不明となった父親を演じた「さがす」は娘の知らない恐ろしい過去を持つ狂気の父親を演じています。娘役には若手の実力派伊東蒼が共演。「あんのこと」の河合優実など若手女優の魅力を引き出すのも佐藤の魅力のひとつです。

そして、佐藤二朗のバイプレイヤーとしての存在感を世間に知らしめたのが「爆弾」でしょう。爆弾犯スズキタゴサクを演じ刑事との心理戦を嘲笑いながら楽しむ底知れぬ狂気が感じる作品でした。

もちろん、ドラマやバラエティー色の強い映画で見せるユーモアも彼の魅力ではありますが、今後もあの素朴な風貌の中に潜む狂気を映画の中で味わいたいと思っています。